ひとつの言葉に、四つ掛けてある。
どれか一つを選ばなくていいのが、この名前のいいところ。
トヨタ方式は、道具の話ではなかった。
仕事の並べ方そのものを変えた話だった。だから、いまも残っている。
購買の現場には、その型がない。
値上げの依頼が来るたびに、担当ごとのやり方で、Excelとメールと紙のあいだを往復する。
うまくやれるかどうかが、担当者の慣れに預けられている。
MOVEは、その型をつくる試み。
浮いた時間を数えるより先に、仕事の形のほうが変わる。
使い方の説明は、ほとんどこれで足りる。一日の順番に置いてあるだけだから。
探しにいかない。自分の持ち物と、止まっているものが、最初の画面にある。
社内から来た調査依頼を、担当がそのままサプライヤーへ回せる。誰が担当でも、同じところまで行ける。
転記しない。回答がそのまま案件の中身になり、交渉のはじまりになる。
付箋やノートに書いていたことを、案件の横に書く。次に開いた人が読める場所に残る。
決裁を一括で。報告資料は、これまで書いてきた内容から組み上がっている。
ばらばらの作業を並べたのではなく、ひとつの線を引いた。前の工程で書いたものが、次の工程の材料になる。
同じ値をあちこちに書き写す場面がない。最後の報告書は、書くものではなく、できているもの。
返してこないサプライヤーと、まだ投げていない社内の担当。どちらで止まっているかが分かり、どちらにも催促できる。
別々のシステムから集めてきていた情報を、この上にまとめる。貯まる・探せる・並べて見られる。
山高もスケジュールも、画面の中で組める。スライドは個人ごとの作業場で、勝手に人に見られない。
表は、表のまま。並びも、見え方も、これまで見慣れてきたものを引き継いだ。 新しい道具に見えないことが、いちばん強い導入の仕掛けだと思っている。
これまで貯めてきたPDF・Excel・PowerPointは、まとめて取り込める。過去は捨てなくていい。
過去の交渉、議事録、上長のコメント。
これまで「探す手段がなかったもの」が、聞けば出てくる。
決めるのは人で、AIは思い出す係。
そこを踏み越えないことを、設計のうえでの約束にしている。
案件の中の言葉で探せる。似た値上げが過去にどう決着したのか、根拠ごと引ける。
使う本人が、エンジニアなしで、使いながら書き換えている。AIの使いどころを説明する資料ではなく、AIで出来上がったものが、そのまま毎日動いている。
資料を開いて、確かめて、その場で承認まで。案件を一枚ずつPDFで開き直す時間が、まるごと消える。
中身をその場で確認できるから、まとめて捺しても雑にならない。捺したときの手ごたえは、わざと気持ちよくしてある。
案件からそのままチャットが始まる。何の話かは、開いた時点で共有されている。もちろん、ふつうの個人・グループのやりとりもできる。
購買の手順が複雑なのは、誰かが悪いからではない。 下請法をはじめとする決まりに、きちんと応えるため。
だからMOVEでは、証跡を「あとから集めるもの」にしない。
議事録の取り交わしも、格納も、普通に仕事をしていれば終わっている状態にした。
サプライヤー側にも画面がある。相手も楽になる。 1社の回答が、他社に見えることはない。
監査で求められるものが、業務の結果として残る。集め直す作業がない。
権限で操作を止めるとき、黙って消さない。なぜ押せないかを画面に書く。
サプライヤー情報は誰でも修正を出せて、主管の承認で反映される。情報が古いまま放置されない。
外に頼むと、高くて、遅くて、そのうえ現場の手に馴染まないものが返ってくることがある。 仕様を書いた人が、その仕事をしていないからだ。
MOVEは、その業務で毎日困っている人間が作っている。 朝に言われたことが、その日に直る。 意見は画面の中の意見箱(BEEF)で集めて、そのまま次の形にする。
完成品を納めて終わり、ではない。使いながら、毎日かたちが変わっていく。
値上げ対応のためにつくった。けれど購買の仕事は、どれも同じ骨をしている。 依頼が来て、調べて、決めて、通して、残す。
道具ではなく手順の型をつくったので、隣の課にも、別の業務にも移せる。 製造の方式が工場から工場へ渡っていったのと、同じやり方で広がる。
同じ依頼が、担当者の理解や慣れによって、違う結果になってしまう。 その差を、個人の努力で埋めるのはもう限界だと思っている。
うまい人のやり方が道具の側に入っていれば、みんながそこから始められる。 やり方を覚えるのではなく、仕事に集中できる。
ついでに、開いていて気分が上がる画面にした。 ちらっと見えた誰かのモニターが、かっこよく見えるくらいには。
現場の実感を、そのまま歌にした。仕様書より、こっちのほうが早いこともある。
ふわふわのぬいぐるみ生地で、態度はクールなラッパー。生い立ちも壁紙も、こっちに全部置いてある。
読んで分かるものではなく、触ると分かるもののつもりでつくっている。
社内向け・デモデータで動いています。画面に出てくる会社名はすべて仮名です。